武道とは何か 空手は武道か? 武道とは大人の健全娯楽
これにはいろいろな意見があろう。ここでも幾つかに分けて考えてみたい。
最初に現代で言う武道とは何だろうか? と言うことから入りたい。
武道と言うのは現代ではスポーツのことで、武道とスポーツとは別のものではない。日本製のスポーツを武道と呼んでいるだけのことである。
同様に武道も武術も同じものである。道が付いたか付かないかの論議ほどくだらないものはない。道が付けば違うのだとしたら、武道とは完全な西洋スポーツと言うことになる。スポーツとは技術だけではなく、スポーツマンシップ、フェアプレイの精神と結びついたものを言うのであって、武術と武道が違うとしたら、西洋スポーツと全く変わらないものになる。武道は西欧のスポーツではなく日本製のスポーツなので、その根源にある哲学が違う。技術とモラルを別のものとするのは西洋哲学だが、東洋哲学では技術(技)もモラル(道)も一体とされている。
現代の我が国の社会では、こう言うと叱られそうだが、同様の意味では、「攻防一如」と言って、専守防衛などと言うことほ東洋哲学ではあり得ない。「攻撃は最上の防御」と言うのは武の鉄則である。「空手に先手なし」とは船越先生の言葉だが、修技者へ戒め、倫理であって、技術について言葉ではない。技術的には当然「先手必勝」であることは論を待たない。